「さんたくろぉす?」


目を丸くして、敦盛はきょとんと望美を見つめる。


「いい子にしてると、夜中にサンタさんがやってきて枕元にプレゼントを置いていってくれるんです」


懐かしいなぁ…と、望美は微笑んでみせる。






    神子へのプレゼント。






小さな声で、敦盛はぼそりと呟いた。














サンタからの贈り物














「そりゃ無理だな」


きっぱりと、将臣は言い切る。






さんたくろぉすには、どうしたら会えるだろうか?






敦盛からの真剣な質問であった。


「どうしても…無理だろうか?」


真剣な瞳でまっすぐと見つめられ、将臣は困った様子で頭をぽりぽりとかく。






さんたくろぉすの話をしている時の望美の瞳は、とても夢に満ちていた。

さんた…とやらからプレゼントをもらえれば、望美はどんなに喜ぶだろう…と。






敦盛は望美に喜んで欲しかったのだ。


「そう言われてもな。サンタなんて実際に…」


待てよ…と、将臣はニヤリと何か企んだような笑みを見せた。


「それだったら…」










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敦盛がこの世界にやってきてから、初めてのクリスマス。

二人きりで…というわけにはいかなかったが、
大勢でにぎやかな楽しいパーティーを行うことができた。

ツリーを見るのも、パーティーをするのも、全て初めての経験のようだったが、
楽しそうな敦盛を見て望美も大満足だった。

今はその騒がしさが嘘のように静かで。

どことなく寂しさを感じながら、望美はベッドの中に潜り込む。






夢路につきそうになったそんな頃。






ガチャリ…とドアが開いた音に、望美はハッと目を覚ます。

ドアが閉まる音が聞こえると、その足音は静かにこちらへと向かってくる。






ドロボウ      !?






バクバクと心臓が鳴っているのがわかる。


どうしよう…と思いながらも、望美は掴み掛かる勢いで起き上がった。


「誰っ!?」


望美の声に驚いたのか、その侵入者は微かに声を上げ、その場に尻餅をついた。


その隙を突いて、望美はベッドから降りて部屋の電気をつける。






望美の目に入った侵入者は。






「あ…敦盛さん!?」


腰を軽くさすりながら立ち上がる敦盛に、望美は慌てて駆け寄る。


「ご…ごめんなさいっ! 大丈夫ですか!?」


「あ…ああ…」


望美は敦盛をベッドに座らせると、自分もその隣に腰掛けて肩を落とした。


「ホント、ごめんなさい…」


「いや、私の方こそ…こんな時間にすまなかった」


「どうしたんですか? それに…」


その格好…と、望美は敦盛の格好に目を移した。






真っ赤な服に、真っ赤な帽子。

縁は白くてもふもふしたもので飾られていて。






「将臣殿に借りたんだ」


敦盛は少し恥ずかしげに笑みを浮かべる。


確かに、その服は少し大きくて敦盛は着られている感じがする。


その姿が可愛らしくて、望美に笑みがこぼれる。


「でも、どうして…」


「さんたくろぉすに会いたいと言っていただろう? 
本物は連れてこられなかったのだが、私でも代わりができるかもしれないと思って…」






ほんの些細な会話。






そんなことを敦盛は覚えていて、望美のためを思ってやってくれたのだ。


そのことがとても嬉しくて、胸が温かくなる。


「…やはり、私ではダメか」


「そんなこと、ないです。すごく嬉しい…」


ありがとう…と、望美はにっこりと微笑む。


少し恥ずかしげに…だが安心したように笑みを浮かべ、
敦盛はポケットの中に入れていた箱を取り出す。


「神子、これを…」






青いリボンでラッピングされた、手のひらサイズの小さな可愛い箱。






開けてみてくれないか    と、そっと望美に手渡した。


リボンを解き、箱のフタを開けると、中には指輪が入っていた。


「これ…」


「あまり高いものは買えなかったのだが、神子に似合うと思って…」


そっと、敦盛はその指輪を望美の指にはめる。





指輪についているのは、望美の瞳と同じ新緑色の綺麗な石。





宝石のように高価なものではないが、明かりに反射してきらきらと輝いている。


「その…恋人には、指輪を贈るものだと聞いて…」


「え…?」


「その…」






神子は、私にとって大切な女(ひと)だから。






優しく暖かい笑みを浮かべ、敦盛は望美を見つめる。


その微笑みが嬉しくて、望美の瞳には涙が滲んだ。


「どう…だろうか?」


「すごく…嬉しい…」


ありがとう…と、望美は敦盛に抱きつき、その胸に顔を埋める。


「み…神子…?」






嬉しくて、幸せで。






この温もりをもっと感じたかった。


「いつか…貴女に本物の石を贈るから、だからその時は…」






    受け取ってくれるだろうか?






望美の身体をそっと抱き締め、敦盛はその唇に口付けを落とした。






















ずっとずっと、一緒にいられますように。

この幸せがずっと続きますように         

























あっつーに コスプレ させたかったんです。


ということで、書いてみました(笑)
いや、サンタコスをしたあっつーはどんなにか可愛いだろうと思いまして…妄想の赴くままに書かせていただきました。

だってね、どうしてもコスさせたかったんです!
きっとね、まさおアニキも萌えたんだよ!女の子みたいなあっつーに!!(違)




















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